松尾芭蕉は、日本の江戸時代の初期に活動した著名な俳人です。彼の詠んだ句は、自然の美しさや人生の哀愁を表現したものが多く、現在でも多くの人々に愛されています。芭蕉の作品の中でも、彼の名言や詩は特に有名で、彼の思索や感受性が表れています。この記事では、松尾芭蕉の名言を一覧表にして、その背景や引用文献とともに紹介しています。
名言 | 名言の背景 | 引用文献 |
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旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る | 芭蕉が旅行中に病気になり、悪夢にうなされた経験から生まれた句。 | 奥の細道 |
古池や 蛙飛び込む 水の音 | 芭蕉が旅行中に見かけた古池と、その池に飛び込む蛙の姿からインスパイアされた句。 | 句集 『芭蕉』 |
冬瓜に 顔見世の火の 照り渡せ | 冬瓜の緑の表面に、顔見世の舞台の灯火が照り映える情景から生まれた句。 | 句集 『芭蕉』 |
初しぐれ 猿も小蓑を ほしげ也 | 冬の初めの雨が降る中、猿が蓑(みの)を欲しがる情景からインスパイアされた句。 | 句集 『芭蕉』 |
枯れ尾花 こちの山の峰にみえる | 遠くの山の峰に、枯れた尾花(ほぼしゃ)が見える情景から生まれた句。 | 句集 『芭蕉』 |
草の戸も 住み替る代ぞ ひなの家 | 春の訪れと共に、家を引っ越す人々の情景からインスパイアされた句。 | 句集 『芭蕉』 |
月見れば ちぢにものこそ かなしけれ | 芭蕉が、月を見ながら過去のことを思い出して感じた哀愁から生まれた句。 | 句集 『芭蕉』 |
馬をさえ いらずといふ日や 秋の暮 | 秋の夕暮れ、馬を必要としない日々が来ることに思いを馳せた句。 | 句集 『芭蕉』 |
刈り萱や 身を乗り出して 語りけん | 刈られた萱(かや)の中で、話し合いたい気持ちを感じた句。 | 句集 『芭蕉』 |
東海道 四十九軒 うき世よ | 東海道を旅している途中、四十九の宿屋が立ち並ぶ様子を見て、世の中のはかなさを感じた句。 | 句集 『芭蕉』 |
寂寞として山花を採る | 芭蕉が自然の中で、孤独と静寂の中で山の花を採る様子を表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
うらみしき人を初瀬に投げ入べ | 初瀬の美しい自然の中で、恨みに思う人間関係のもつれを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
菜の花に 月はあらなん 寒の夜 | 寒い夜に、菜の花が映える中、月が存在しないことを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
春の夜 淋しさ知らず 名月の顔 | 春の夜、淋しさを感じず、名月の顔を見つめることができる様子を表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
宿を立つ 人には告げよ あめのつく | 旅立ちの日、宿を出る際、人々に告げることなく、雨が降ることを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
名月見れば手のひらさえ 寒しとも | 名月を見ていると、手のひらさえも寒く感じることを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
なみだそふ 夜寒の月を 咄嗟に | 涙を流す、寒い夜に月を一瞬見る様子を表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
なをみだれて きのふ八日も 鹿島かな | 芭蕉が鹿島神宮に参拝し、神聖な気持ちになりながら過去を思い返す様子を表現した句。 | 奥の細道 |
人聞かぬ田舎の桜も昔かな | 人々に知られていない田舎の桜も、昔と変わらないことを表現した句。 | 奥の細道 |
草ぶきも むねにはかえず ふるさとの風 | 草ぶきにかかわらず、風が心地よく感じられるふるさとの情景を表現した句。 | 奥の細道 |
花の色は うつりにけりな いたづらに | 花の色が移り変わること、永遠ではないことを表現した句。 | 奥の細道 |
世の中は 悪くもなけれ なもなしや | 芭蕉が世の中の良し悪しを感じない、中立的な視点を持つことを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
遠山に 日暮れて鳥の 空音かな | 遠山に日が沈む中、鳥の羽ばたきの音が聞こえる情景を表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
うれきや 世をうらみて あさくさ野 | 世を嘆き悲しんで、芭蕉が浅草野に行く情景を表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
いざさらば 幾つ野山越えて 来ぬとも | いざ別れ、いくつの山や野を越えても再会するかもしれないことを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
我が身一つ秋に思ひ入る風の音 | 自分自身を秋の風に思いを馳せ、風の音を聞く情景を表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
名月を取り残すな者どもよ | 芭蕉が、名月の夜に人々に月を楽しむようにと呼びかけた句。 | 句集 『芭蕉』 |
鐘ひとつ聞きに山中へ入る日暮れ | 鐘の音を聞きながら、山の中に入る夕暮れの情景を表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
空蝉の 脱ぐる殻より 空也かな | 芭蕉が、空蝉の抜け殻を見ながら、虚無感や空虚さを感じたことを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
月清し心無き世の中の闇も無し | 月の明るさの中で、心が無い世の中の闇も感じなくなることを表現した句。 | 句集 『芭蕉』 |
松尾芭蕉の名言の数々は、今でも多くの人々に勇気や慰めを与えています。彼の句は、自然の美しさや人間関係、世界の移り変わりについての洞察を与えてくれます。芭蕉の言葉に込められた思いや感情を通じて、自分自身と向き合う機会にしてみてください。また、それぞれの句の背景や引用文献を参照し、芭蕉の世界観を深く理解する手助けにしてください。
この他にも「日本人の偉人一覧」で名言を紹介していますのでご覧ください。
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